インボイス制度とは?必要性や事業者ごとの対応をわかりやすく解説
目次
令和5年10月1日から「インボイス制度」が始まり、令和5年11月9日時点のインボイス登録件数は4,065,405 件と、多くの企業がインボイスの導入をしていることがわかります。
しかし、この記事を読んでいる方の中には、
「インボイス制度って導入した方がいいの?」
「インボイス制度がわからずまだ登録していない…」
「どのような対応をするの?」
など、インボイス制度の実態がわからずに導入を迷っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、インボイス制度について簡単にわかりやすくご説明していきます。
インボイス制度を導入したものの、対応方法がいまいち理解できていないという方にも必見の内容となっていますので、是非ご覧ください。
出典:適格請求書発行事業者の登録件数及び登録通知時期の目安について|国税庁
インボイス制度とは?簡単に説明
インボイスの正式名称は「適格請求書」と言い、インボイス制度を正式名称で「適格請求書保存方式」と言います。
この2つについて、国税庁は以下のように説明しています。
”適格請求書(インボイス)とは、
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
インボイス制度とは、
<売手側>
売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
<買手側>
買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。”
これではピンとこない方もいると思いますので、簡単に説明すると、
「インボイス(適格請求書)」とは、買い手に対して正しい税率や税額を伝えるための請求書のことで、インボイスには登録番号等の必要事項を記載します。また、このインボイスを発行できるのは「適格請求書発行事業者」として登録した人に限ります。(適格請求書発行事業者の登録方法は”インボイス制度の登録申請の手順”でご説明します。)
そして、インボイス制度とは、控除を受けるため正確な税率や税額を記録・保存する制度であり、売り手は買い手にインボイスを交付する必要があります。
原則インボイスを発行している事業者(適格請求書発行事業者)でないと、消費税の仕入税額控除を受けることができません。(消費税の仕入税額控除とは何かについて”インボイス制度の5つのメリット”でご説明します。)
インボイス制度はなぜ必要なの?
令和元年10月から消費税率は、8%と10%の2種類になったことで正確に把握することが難しくなりました。
そこで、インボイス制度を導入し、税率や税額を正確に区分・保存する仕組みで不正やミスを防止しよう!となったのです。
インボイス制度は、2種類の消費税率混在等の理由から起こりやすい不正やミスを防ぎ、正しく税率を区分するために必要な制度と言えます。
インボイス制度の5つのメリット
ここからは、インボイス制度の5つのメリットをご紹介していきます。
- 仕入税額控除が受けられる
- 電子インボイスを利用する環境が整う
- コスト削減と業務効率化が図れる
- 税額を正確に計算、管理できる
- 継続的な取り引きができる
それでは、1つ1つ確認していきましょう。
仕入税額控除が受けられる
買い手は、業者が商品を販売した時にかかった消費税から商品の仕入れ(取り引き)にかかった消費税を引いたものを納税する義務があります。
この仕組みのことを仕入税額控除と言い、インボイスの発行事業者(適格請求書発行事業者)は、この仕入税額控除を受けることが可能です。
ただし、この支払税額控除を受けるための3つ条件がありますので確認しましょう。
仕入税額控除を受けるための3つの条件
①適格請求書発行事業者であること
②帳簿への記載・保存
<記載内容>
- 取引先の氏名または名称
- 取引を行なった年月日
- 取引の内容
- 取引額
③売り手から請求書を発行・保存
<記載内容>
- 取引先の氏名または名称
- 取引を行なった年月日
- 取引の内容
- 取引額
- 自社の氏名または名称
このような上記3つの条件が揃い、正確に税率や税額を区分・保存している事業者が仕入税額控除を受けられるということです。
ただ、自社も取引先も適格請求書発行事業者でなければ控除を適用できないため、その点は事前に確認する必要があります。(詳しくは、”インボイス制度の3つのデメリット”で詳しくご説明します。)
出典: 仕入控除税額の計算方法|国税庁
仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
電子インボイスを利用する環境が整う
電子インボイスとは、その名の通り電子データで発行するインボイス(適格請求書)のことを指します。
電子インボイスは、請求書等を探す際に検索をかければ即時に該当の請求書等を探すことができたり、紙媒体の請求書で起こりやすかった紛失や記載ミス等で発生していた情報漏洩等の問題解決にも繋がったりと利便性の高いインボイスです。
デジタル化の推進もあいまって電子インボイスでデータを管理・保存する企業が増えてきているため、様々な情報を電子データで管理したいと考えている企業には導入しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
コスト削減と業務効率化が図れる
インボイス制度導入により、コスト削減や業務効率化に繋がることが期待できます。
例えば、電子インボイスを活用すれば、紙媒体でのデータ管理だったものが電子データに変わるため、紙代や印刷費、インク代などの経費を削減することが可能です。印刷や郵送準備、チェックなどの作業工程も削減することができます。
また、インボイス制度により正確に税率・税額を管理しやすい環境になったため、人件費削減や業務効率化を図ることもできるでしょう。
税額を正確に計算、管理できる
インボイス制度が導入される前は、2種類の消費税率をそれぞれを計算する必要があったので不正やミスが発生しやすくなっていました。
しかし、インボイス制度が導入されたことにより、税率や税額が明確に記載されるためこれまでに起きていた不正やミスを防ぐことが可能です。
税率等を正確に計算・管理ができることで、取引先の不正により損をしていた事業者はトラブルなく事業を進めていけます。
継続的な取り引きができる
正確に税率等を区分・保存している適格請求書発行事業者は、取引先の安心や信頼に繋がります。
取引先によっては、リスクや仕入税額控除の観点から適格請求書発行事業者でないところとの取り引きを見送る企業も今後出てくるかもしれません。
公正取引委員会は、インボイスの発行事業者としての登録の強制や応じない場合、取り引きを一方的に打ち切るなどの行為は、独占禁止法または下請法上問題になるおそれがあると注意喚起していますが、取引額の値引き交渉等をされる可能性が考えられます。
出典:インボイス制度の実施に関連した注意事例について|公正取引委員会
インボイス制度の3つのデメリット
ここからは、インボイス制度の3つのデメリットについてご紹介していきます。
- 手続きの工程が増える
- 控除額が減る可能性がある
- インボイス未登録事業者は不利になる可能性がある
それでは、1つ1つ確認していきましょう。
手続きの工程が増える
インボイス制度の導入にあたり、従来の事務手続き等を変更しなくてはいけないため、手続きの工程が増える可能性や体制準備に時間がかかることもあります。
例えば、
- 請求書の様式や書き方
- 請求書等の保存方法
- 事務フローの確認
など、自社の事務体制や担当者、ルールを見直していかなくてはなりません。必要に応じて電子インボイスや会計ソフトの導入なども検討する必要があります。
必ず変更対応しなくてはいけない請求書の様式についてですが、適格請求書の場合は以下の内容を必ず追加しなくてはいけません。
【適格請求書の記載例】
出典:適格請求書の記載事項
適格請求書には、記載しなくてはいけない項目が6つあります。
①適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
②取引年月日
③取引内容(軽減税率対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の工夫を受ける事業者の氏名または名称
このようにインボイス制度の導入によって変更された事務手続きやフローによっては、慣れるまで新しい体制を手間に感じる可能性があります。
控除額が減る可能性がある
自社が適格請求書発行事業者であっても取引先が適格請求書発行事業者ではない場合は、仕入税額控除を受けることができないため控除額が減ってしまう可能性があります。
仕入税額控除を受けるための条件として、インボイスに登録している事業者(適格請求書発行事業者)の必要があるのです。
例えば、A会社は適格請求書発行事業者で「適格請求書発行事業者のB会社」と「適格請求書発行事業者ではないC会社」から仕入れをするとします。
当然、B会社は適格請求書発行事業者であるため、仕入れする際に支払った消費税を仕入税額控除として適用できます。
対してC会社は、適格請求書発行事業者ではないため、仕入れをする際に支払った消費税を仕入税額控除として適用することはできません。そのため、C会社との取引で発生した消費税は自社で納税しなくてはいけません。
結果的に、A会社は、仕入税額控除額が減ってしまうということになるのです。
適格請求書を発行しない事業者は不利になる可能性がある
適格請求書発行事業者でないと取引が減少し、売上も減ってしまう可能性が考えられます。
適格請求を発行しない事業者と取り引きすることで、本来は全ての取り引きで仕入税額控除を受けることができたはずなのに、控除額が減ってしまいます。
そのため、取引の内容を見直し・減額されたり、消費税の値引きをお願いされたり、最悪の場合には、取り引きが打ち切りになる可能性もあるでしょう。
このようなことから、適格請求書を発行しない事業者は不利な状態になってしまうと言えるのです。
出典: 納税義務の免除|国税庁
インボイス制度の影響を受けやすい事業者
ここからは、インボイス制度の影響を受けやすい事業者についてご紹介していきます。
- 取引先が適格請求書発行事業者ではない
- 適格請求書を発行しない事業者(年間課税売上高1,000万円以下)
- 事業者向けの商品・サービスを提供している
- 業務委託を受けやすい業種
それでは、1つ1つ確認していきましょう。
取引先が適格請求書発行事業者ではない
取引先がインボイスを発行(適格請求書発行事業者)しない事業者である場合は、仕入税額控除を受けることができないため、控除額や売上への影響を受ける可能性があります。
特に、個人事業主やフリーランスに仕事を発注している企業や小規模事業者との取引がある企業は、取引先が適格請求書発行事業者でない場合が大きいです。
取引先変更する場合は、今後どこで取引するのか、取引先を変更しない場合は、消費税等そのような対応をしていくのか検討していかなくてはいけません。
インボイスを発行していない事業者(年間課税売上高1,000万円以下)
年間課税売上高1,000万円以下の適格請求書を発行しない事業者は、以下のような影響が考えられます。
取引打ち切りや取引額の値段交渉をされる
適格請求書を発行しない事業者との取引にかかった消費税は、仕入税額控除にできないため、取引を打ち切りされたり、値段交渉や消費税の値引きを交渉されたりすることが考えられます。
このようなことを要求された場合に、どのような対応をとっていくのか事前に決めておきましょう。
新しい取引先の獲得が困難になる
適格請求書を発行しない事業者は、仕入税額控除ができないことや正確な税率等で区分しているのか等の様々な要素から新規取引先の獲得が困難になると予想されます。
新規の事業者に営業していくには、自社と取引する上でどんなメリットがあるのか、仕入税額控除ができないためどのような対応をしていくのか等の対応を確立させ、交渉していく必要があるでしょう。
適格請求書発行事業者になる
上記のような事態を避けるためには、適格請求書発行事業者になるという対策も考えられます。
ただ、年間課税売上高1,000万円以下の事業者(免税事業者)は、仕入消費税についての納税義務が免除されますが、適格請求書発行事業者になると、年間課税売上高1,000万円以下の事業者(免税事業者)であっても売上高にかかわらず納税義務は発生します。
年間課税売上高1,000万円以下の事業者(免税事業者)から、適格請求書発行事業者になるかどうかは、様々な要素を考慮したうえで判断していかなくてはいけません。
出典:納税義務の免除|国税庁
事業者向けの商品・サービスを提供している
飲食店やサービス業、建設業などの事業者向けの商品・サービスを提供している事業者は、必ずといっていいほど取引先から適格請求書発行事業者であるかの確認をされます。
特に飲食店は、税率が8%のものと10%のものと2種類あるため、税率・税額の計算が複雑となっています。
売り手から正しく区分された適格請求書を受け取らないと、売上に影響する可能性があるため、他の業種よりも適格請求書発行事業者であるかどうかの確認をされやすいと考えられるでしょう。
業務委託を受けやすい業種
インフルエンサーやWebデザイナーやライターなどのその分野において業務委託を受けやすい個人事業主やフリーランス、小規模事業者はインボイス制度の影響を受けやすいです。
個人事業主やフリーランス、小規模事業者は、年間課税売上高1,000万円以下の事業者であることが考えられますが、取り引きの状況によっては適格請求書発行事業者になるのかならないか検討する必要があります。
適格請求書発行事業者となれば、取引の打ち切りは避けられ継続的な取り引きがしやすくなりますが、年間課税売上高1,000万円以下でも納税義務が発生します。
逆に、適格請求書を発行しない事業者のままであれば仕入消費税の納税義務が免除されますが、取引を打ち切られたり、消費税分の値引き交渉を受けたりするでしょう。
インボイス制度の影響を受けにくい事業者
ここからは、インボイス制度の影響を受けにくい事業者についてご紹介していきます。
- 適格請求書発行事業者ではない(年間課税売上高1,000万円以下)
- 一般顧客を対象に商品・サービスを提供している
- 専門スキルが必要な業種
それでは、1つ1つ確認していきましょう。
適格請求書発行事業者ではない(年間課税売上高1,000万円以下)
自社が年間課税売上高が1,000万円以下で、適格請求書発行事業者ではない場合、消費税額に関わる点は影響を受けにくいと考えられます。
”消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等および特定課税仕入れについて、納税義務が免除されます(注)。”
(注)その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合など一定の事由に該当する場合には、その課税期間については課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。
引用:納税義務の免除|国税庁
国税庁が示しているように、消費税において課税期間における年間課税売上高が1,000万円以下の事業者は納税義務が免除されるのです。
一般顧客を対象に商品・サービスを提供している
一般顧客を対象に商品・サービスを提供している業種の事業者は、インボイス制度の影響を受けにくいです。
例えば、
- 美容室
- ネイルショップ
- エステサロン
- 学習塾
- スポーツジム
- ハンドメイドの販売
- マッサージ店
- ヨガスタジオ
- 趣味教室
- 賃貸住宅の家主
など、 to C(一般顧客)向けの事業を行っている事業者は、請求書の発行を求められることがないため、インボイス制度の影響を受けにくいと言えます。
専門スキルが必要な業種
専門スキルが必要な業種の事業者は、インボイス制度の影響を受けにくいでしょう。
例えばですが、
- システムエンジニア
- Webデザイナー
- イラストレーター
- 映像制作や編集
- 設計士
など、クリエイティブな業種やその企業・個人にしかできない専門的な技術をもっている事業者は、適格請求書を発行しない事業者だとしても、クオリティや独自性を考えて取引の継続が判断されやすいと考えられます。
インボイス制度の登録申請の手順
ここからは、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)として登録するための申請手順についてご説明します。
登録申請の方法は3パターンです。
- パソコンで申請する場合「e-Taxソフト(WEB版)」
- スマートフォンで申請する場合「e-Taxソフト(SP版)」
- 書面で申請する場合
それでは、1つ1つ確認していきましょう。
出典:申請手続|国税庁
パソコンで申請する場合「e-Taxソフト(WEB版)」
パソコンで申請する場合は、「e-Taxソフト(WEB版)」を使用します。
申請方法は以下の手順です。
①事前準備として、マイナンバーカード等の電子証明書や利用者識別番号を用意しましょう。
また、マイナポータルアプリのダウンロードやパソコンのバージョンを最新にアップデートしておくとスムーズに申請ができます。
②e-Taxソフト(WEB版)にログインしてマイナンバーカード等の読み取りを行います。
1つの手順が済んだら次の手順に案内されるので、従って進めましょう。(スマートフォンでの操作)
③申請に必要な情報の登録と作成を行います。(パソコンでの操作)
ここでは、マイナンバーカード等で自動入力された氏名や住所、生年月日、納税地などの確認を行います。課税期間の登録も行い、データを送信できれば作成完了です。
e-Tax(Web版・SP版)で申請する場合は、登録通知まで約1ヶ月かかります。申請した内容に間違いがある場合はさらに確認等に時間がかかるため、申請時に間違いがないか必ず確認しましょう。
出典:適格請求書発行事業者の登録申請データ作成マニュアル〜e-Taxソフト(WEB版)〜|国税庁
適格請求書発行事業者の登録件数及び登録通知時期の目安について
スマートフォンで申請する場合「e-Taxソフト(SP版)」
スマートフォンで申請する場合は、「e-Taxソフト(SP版)」を使用します。
①Web版同様、事前準備として、マイナンバーカード等の電子証明書や利用者識別番号を用意し、マイナポータルアプリのダウンロードを行いましょう。
②e-Taxソフト(SP版)にログインし、マイナンバーカードの読み取りを行います。
マイナンバーカードの情報が反映されるため、その他の名前のフリガナや電話番号、職業、メールアドレスなどを入力していきます。
③申請に必要な情報の登録と作成を行います。
提出先税務署の選択や申請書提出に必要な項目を入力。課税期間の登録も行い、データを送信できれば作成完了です。
出典:適格請求書発行事業者の登録申請データ作成マニュアル〜e-Taxソフト(SP版)〜|国税庁
書面で申請する場合
書面で申請することも可能です。
①国税庁の公式サイトに記載している適格請求書事業者の登録申請書をダウンロードし印刷、必要事項を記入しましょう。
個人事業主用と法人用に分かれた記入例があるため、確認して記入していきます。
②記入した申請書は、「e-Tax」か「納税地を管轄するインボイス登録センター」へ提出します。
書面で申請する場合は、登録通知まで約1.5ヶ月かかります。パソコンやスマートフォンでの申請同様、間違った内容で申請した場合はさらに確認等に時間がかかるため、記入例を確認しながら作成・申請していきましょう。
出典:適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁
適格請求書発行事業者の登録件数及び登録通知時期の目安について
インボイス制度の対応は「課税事業者」と「免税事業者」で異なる
消費税の課税事業者とは、課税期間の基準期間中における課税売上高が1,000万円を超える事業者のことで、消費税を納税する義務があります。
対して、消費税の免税事業者とは、課税期間の基準期間中における課税売上高が1,000万円以下の事業者のことで、納税義務は免除されます。
この消費税の「課税事業者」と「免税事業者」によってインボイス制度の対応方法が異なってくるので確認していきましょう。
出典: 納税義務の免除|国税庁
インボイス制度による課税事業者の対応
インボイス制度による消費税の課税事業者についての対応は、以下の4つです。
- インボイス制度の登録
- 請求書の様式や管理方法の変更
- 会計の業務フローを整理
- 取引先が課税事業者か免税事業者か確認
それでは、1つ1つご説明していきます。
インボイス制度の登録
課税事業者は、納税の義務があるためインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)としての登録を行います。
前途のインボイス制度の登録申請の手順を確認して登録しましょう。課税事業者は、基本的に登録を受けたその日から登録することができます。
出典:申請手続|国税庁
請求書の様式・管理方法の変更
インボイス制度の導入にあたり、適格請求書の用意や保存方法などを準備・検討する必要があります。
追加しなくてはいけない必要事項を確認して早急に対応していきましょう。
会計の業務フローを整理
請求書を変更するにあたり、会計業務フローも見直していかなくてはいけません。
例えば、会計ソフトの検討や担当者の業務内容などを確認する必要があります。
取引先が課税事業者か免税事業者か確認
取引先が「課税事業者」か「免税事業者」によって対応が異なるので、必ず確認しなくてはいけません。
課税事業者の場合は、適格請求書による区分・保存の対応。対して免税事業者については、仕入税額控除を適用することができないため、消費税の対応はどうするのか、取引を継続していくのかなどを検討しなくてはいけません。
インボイス制度による免税事業者の対応
インボイス制度による消費税の課税事業者についての対応は、以下の3つです。
- 課税事業者になるかの判断
- 課税事業者の手続き
- 取引先が課税事業者か免税事業者か確認
それでは、1つ1つご説明していきます。
課税事業者になるかの判断
免税事業者は、課税事業者になるか判断しなくてはいけません。
免税事業者が課税事業者になるメリット・デメリットについては以下のような要素が考えられます。
メリット | デメリット |
・取引の継続 ・取引額や消費税減額の見直し ・新規顧客の拡大 ・期待正確な税率、税額で取引できる | ・納税義務が発生 ・適格請求書の対応 |
取引状態などを考慮し、課税事業者になるか見極めていきましょう。
課税事業者の手続き
免税事業者が課税事業者となる場合は、所定の手続きが必要になります。
課税事業者になるためには「消費者課税事業者選択届出手続」に必要事項を記入し、「e-Taxソフト(WEB版)」や「e-Taxソフト(SP版)」または、納税地を管轄する税務署長に提出します。
そして、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)になるためには、”インボイス制度の登録申請の手順”に記載した手順で「登録申請書」を提出しましょう。
取引先が課税事業者か免税事業者か確認
免税事業者であっても、取引先が課税事業者か免税事業者か確認しましょう。
取引先も免税事業者の場合は、仕入税額控除についての対応をする必要がないため、取引を打ち切られたり、取引額の値引きをお願いされたりせずに取引を続けていける可能性があります。
対して取引先が課税事業者であった場合は、取引の打切りや値段の交渉をされる可能性がありますのでしっかりと把握しておきましょう。
インボイス制度の導入後の注意点
ここからは、インボイス制度の導入後の注意点についてご紹介していきます。
- 取引先を検討する
- 所内ルールを共有
それでは、1つ1つ確認していきましょう。
取引先を検討する
免税事業者も課税事業者も取引先を検討していく必要があります。
課税事業者の場合は、取引先が免税事業者だと仕入税額控除を適用できないため取引先について社内で検討しましょう。
また、免税事業者の場合でも今後課税事業者になる可能性があるのであれば、自社の方針に合った取引先を事前に検討しておくとスムーズに対応することができます。
社内ルールを共有
インボイス制度の導入により、インボイスに対応した社内のルールや対応が変更になった場合は、再度マニュアルや会議などを開いて情報共有していきます。
社員ごとに異なった対応をしてしまうと、さらに業務負担が増えたり取引先とのトラブル発展に繋がったりもする可能性があるため徹底した情報の共有をするとよいでしょう。
まとめ
今回は、インボイス制度についての概要やメリット・デメリットなどをご紹介してきました。
インボイス制度は、多くの事業者に影響を与える制度であるので自身の対応方法などをこの記事を参考に確認しておきましょう。
また、お伝えしてきたように、インフルエンサーなどの免税事業者に仕事を依頼する場合はインボイスの確認や適格請求書の発行を求める必要があります。
しかし、トリドリマーケティングでは広告主とトリドリ間での取引となるため、直接インフルエンサーへインボイスの確認や適格請求書の発行を求める手間を省くことが可能です。
インフルエンサーと直接インボイスのやりとり等をすることを不安に思う方は、是非トリドリマーケティングをご活用ください。
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