【完全網羅】代表的な10個のマーケティング手法と選び方を解説!
目次
【完全網羅】これだけは押さえておきたい10個のマーケティング手法
経営難に苦しんでいたUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)にCMO(最高マーケティング責任者)として入社して見事V字回復させた、言わずと知れたマーケターの森岡毅さんは、マーケティングを「価値を創造する仕事」と定義づけています。
しかし、時代の変化によって顧客にとっての価値も変化するため、トレンドとなるマーケティング手法を用いて顧客に価値を提供する必要があるのです。
とはいえ、闇雲にマーケティングの施策を打ち出しても成功しないため、BtoBにもBtoCにも活用できる原理原則に基づいた普遍的なフレームワークを活用したマーケティングが必要になります。
そこで本記事では、原理原則に基づいたマーケティングのフレームーワークや具体的なチャネルについて詳しく解説します。
マーケティングにはBtoBビジネスとBtoCビジネスがありますが、どちらの担当者にも役立つ情報を総合的にまとめているため、マーケティングに悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください。
【手法の説明の前に】一般的なマーケティングのフレームワークAISAS
そもそも消費行動は”商品を購入する”という行動に至るまでに、”商品認知”や”商品の情報を得る”など、さまざま行動をするため、消費者の心理や行動などを理解するために購買行動のモデルを使用することが一般的です。
マーケティングにおいて、消費者の心理や行動プロセスにもとづいたフレームワークはいくつか登場しており、その中でも特に有名なのが1920年台に登場した「AIDMA(アイドマ)」や2004年に国内最大の広告代理店である「電通」が提唱し、2005年に商標登録した「AISAS(アイサス)」というフレームワークとなっています。
「AIDMA」は、Attention(認知)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)という流れで消費行動を行うという原理原則に基づいたフレームワークです。
「AIDMA」は消費行動の原理原則に基づいているため、今でもマーケティングでも活用されますが、消費行動は時代によって変化しているため、最新のトレンドを抑えたフレームワークとはいえません。
そのため、「AIDMA」にトレンドや消費行動の変化を加えたフレームワークである「AISAS」などが登場したのです。
「AISAS」は現代のマーケティングにおいても一般的に活用されるフレームワークであるため、しっかりと理解することが大切となります。
AISAS(アイサス)は、以下の5つの単語の頭文字をとって構成されるマーケティング用語です。
- A:Attention(注意)
- I:Interest(興味)
- S:Search(検索)
- A:Action(行動)
- S:Share(共有)
このようにAISAS(アイサス)は上記の5つの単語から構成されますが、「A:Action(行動)」と「S:Share(共有)」は購入及び購入後のプロセスとなり、相性の良い施策はLPOやEFOやMAツールや口コミ促進となるため、本記事での詳しい説明は割愛します。
Attentionに分類されるユーザーと相性の良い手法・チャネル
「Attention(注意)」は、商品・サービスを認知してもらうことを指します。
商品を認知してもらう方法は、Web広告やSNS広告、SEO、SNS運用などさまざまな方法がありますが、この段階では確度に関わらず多くの見込み顧客をリーチすることが求められます。
また、見込み顧客を想定するときは、年齢や性別などの基本的なユーザー属性を決める「ターゲット」ではなく、趣味趣向や休日の過ごし方などの詳細な情報を設定して架空の人物を作り上げる「ペルソナ」を設定することと効果が出やすいです。
それでは、Attentionの具体的なチャネルについて、以下で詳しく解説します。
テレビCM
テレビCMは、テレビ番組の間に放送されるCM(コマーシャル)のことを指します。
インターネット広告が急成長しており、若者のテレビ離れが深刻というニュースを目にしたことのある方も多いと思いますが、2022年度の日本の総広告費7兆1021億円のうち、1兆8,019億円(前年比98.0%)がテレビ広告となっているため、広告全体の約25%はテレビCMとなっているため、まだまだテレビCMは効果的な広告なのです。
(参考:電通「2022年 日本の広告費」)
テレビCMのメリットは、CMを放送する時間帯やテレビ番組のジャンルなどを参考にして細かいターゲティングができるということや、視聴者が信頼している「テレビ」というメディアに広告を出稿できるため圧倒的な認知を得られることなどが挙げられます。
一方で、広告を出稿するための費用が高額であったり、効果測定がしにくい、施策立案から実行までに時間がかかるなどのデメリットもあります。
テレビCMのメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
テレビCMのメリット | テレビCMのデメリット |
認知拡大に効果的ターゲティングできる 信頼度の高い広告を出稿できる | 出稿費用が高額効果測定がしにくい 施策立案から実行までに時間がかかる 若年層をリーチしにくい |
新聞広告
新聞広告は、新聞紙のなかに設けられている広告枠に出稿できる広告のことを指します。
インターネットの発達にともない、新聞の発行部数は減少傾向にありますが、2023年度の発行部数は約2859万部(世帯数は約5849万)となっており、まだまだ利用者数が多いことがわかります。
(参考:一般社団法人 日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」)
新聞広告のメリットは、シニア層に効果的な広告を打ち出せることや、地域を絞ったターゲティングができること、信頼できる「新聞」というメディアに出稿できることなどです。
一方で、若年層へのアプローチができないことや細かいターゲティングができないこと、効果測定が難しいことなどがデメリットとなります。
新聞広告のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
新聞広告のメリット | 新聞広告のデメリット |
シニア層への効果が高い地域を絞ったターゲティングができる 信頼できるメディアに出稿できる 不特定多数の読者にアプローチできる | 若年層へのアプローチが難しい 細かいターゲティングができない 効果測定が難しい |
屋外広告(駅広告, サイネージ, 電車広告など)
屋外広告とは、駅広告やサイネージ、電車広告など、屋外に設置されている広告のことを指します。
屋外広告は非常に種類が多く、繁華街のビルなどに設置されている広告や、電柱に設置されている広告、バスやタクシーの車体に貼り付けられている広告、駅ビルに設置されているサイネージ広告など、さまざまな種類があります。
屋外広告のメリットは、通りかかった人の視界に強制的に入ることや、何度も見てもらうことが訴求力を高められること、広告のデザインによってはSNSで拡散される可能性があるなどです。
たとえば、渋谷の東急線からハチ公前広場までの地下通路には柱が何本も立っていますが、すべてに同じ広告が出稿されていることも珍しくなく、不特定多数の消費者の目に強制的に入るように設置されています。
また、新宿駅の東西自由通路にある「新宿ウォール456」というデジタルサイネージの広告枠では、アニメやアイドルの広告が出稿されると、その前で写真を撮影してSNSにアップする人で溢れかえるほど影響力のある広告を出稿することもできるのです。
一方で、効果のある屋外広告を出稿するためには高額な費用がかかることや、効果測定が難しいこと、インパクトのない広告は埋もれてしまうなどがデメリットとなります。
屋外広告のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
屋外広告のメリット | 屋外広告のデメリット |
年齢・性別問わずに幅広い層をリーチできる 何度も見てもらうことができる 強制的に視界に入る SNSで拡散されることがある 契約期間内は継続的に掲載される | 費用が高い設置する場所によっては効果が薄い 効果測定できない デザインに費用をかける必要がある ターゲティングしにくい |
YouTube広告
YouTube広告とは、国内最大級の動画配信プラットフォームであるYouTube内で配信できる広告を指します。
YouTubeは従来の横型動画だけではなく、縦型のショート動画にも力を入れていることから利用者数を増やしており、2023年における18歳以上の月間利用者数は7120万人以上となっています。
(参考:YouTube Brandcast Japan 2023)
YouTube広告のメリットは、さまざまなユーザー層をリーチできることや、映像でアプローチできること、動画広告の種類を選べることなどです。
一方で、スキップされる可能性が高いことや、ユーザーに嫌悪感を持たれる可能性があること、動画広告を作成する必要があることなどがデメリットに挙げられます。
YouTube広告のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
YouTube広告のメリット | YouTube広告のデメリット |
さまざまなユーザー属性をリーチできる 利用者数が多い映像でアプローチできる 動画広告の種類を選べる 細かいターゲティングができる効果測定がしやすい | スキップされる可能性が高い 嫌悪感を持たれることがある 動画広告を作成する必要がある 広告のクオリティが求められる |
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNS上で大きな影響力を持っているユーザー(=インフルエンサー)に投稿やPRを依頼する方法です。
InstagramやTikTokなどのSNSに投稿されている情報をもとに消費行動をとる人は約8割というデータが出ているため、SNSを活用したマーケティングは欠かせません。
インフルエンサーマーケティングのメリットは、SNS内で人気投稿を獲得することで中長期的な認知拡大や集客をできることです。
なかでもInstagramはいいね数やコメント数に応じてキーワード検索やハッシュタグ検索で上位に表示されるかどうかを決定するアルゴリズムとなっているため、インフルエンサーマーケティングとは非常に相性がいいです。
一方で、インフルエンサーマーケティングは歴史の浅い手法となるため、方法が分からない、費用が高いイメージがある、内容が分からないなどがデメリットとなります。
インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
インフルエンサーマーケティングのメリット | インフルエンサーマーケティングのデメリット |
認知拡大できる 集客に効果的売上に直結することが多い 若年層や女性にアプローチしやすい SNS内で上位表示が狙える | 依頼先が分かりにくい 歴史の浅い手法 |
Interestに分類されるユーザーと相性の良い手法・チャネル
「Interest(興味)」では、商品・サービスを知ってもらったうえで、興味関心を持ってもらえるようにアプローチすることを指します。
ここでは、競合との差別化やブランディング、コンセプト設定、分かりやすい説明などを心がけることが肝心です。
インターネットさえあれば、さまざまな情報を手に入れることができるようになった現代において、知ってもらうだけでは購入してもらうことが難しくなっています。
そのため、オウンドメディアやSNS、YouTubeなどで発信をするときに、見込み顧客の関心を惹けるように、分かりやすく魅力的なコンテンツの制作が必要です。
それでは、interestの具体的なチャネルについて、以下で詳しく解説します。
SNS運用
SNS運用は、企業の公式アカウントを開設し、投稿やフォロワー、ユーザーとのコミュニケーションをする方法です。
InstagramやX(旧Twitter)、facebook、TikTokなど、日本国内では数多くのSNSが利用されており、生活に密着しているプラットフォームであることから、マーケティングにおいてSNS運用は欠かせないものとなっています。
SNS運用のメリットは、低コストでプロモーション活動できることや、ブランディングできること、利益拡大につながること、コミュニケーションが取れることなどさまざまです。
一方で、長期的かつ高頻度は更新が必要になることや、些細なことでの炎上リスクがともなうことなどがデメリットとなります。
SNS運用のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
SNS運用のメリット | SNS運用のデメリット |
低コストで運用できる ブランディングできる 顧客とコミュニケーションが取れる リアルな意見を調査できる 利益拡大につながる | 中長期的な運用が必要 炎上リスクがある 担当者を用意する必要がある |
メルマガ
メルマガ(メールマガジン)は、メールアドレスを知っているユーザーに商品・サービスの情報などを配信する方法です。
メルマガのメリットは、能動的にアプローチできることや、ターゲティングできること、同時配信ができることなどが挙げられます。
一方で、メールを見てもらえない可能性があることや、受信拒否されることなどがデメリットです。
また、メルマガは昔からマーケティングで活用されてきた手法ですが、最近ではメールをあまり見ない人も増えているため、従来のメルマガを公式LINEアカウントで代用しているケースも多いです。
メルマガのメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
メルマガのメリット | メルマガのデメリット |
能動的にアプローチできる ターゲティングできる 同時配信できる | 開封されない可能性がある 受信拒否されることがある |
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告(コンテンツ連動型広告)とは、Webサイトや検索エンジン、アプリケーションなどの広告枠に表示される、画像広告・動画広告・テキスト広告のことを指します。
ディスプレイ広告は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo!ディスプレイ広告(YDA)、マイクロソフトオーディエンス広告(MSAN)、などが代表的な種類です。
ディスプレイ広告のメリットは、商品・サービスをまだ知らない潜在層にアプローチできることや、リターゲティングできること、他の広告に比べてクリック単価が低いため低コストで運用できることなどが挙げられます。
一方で、コンバージョン率(CVR)が低くなりやすいことや、確度の低いユーザーにクリックされる可能性があること、広告ブロックされると表示されないなどがデメリットです。
ディスプレイ広告のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
ディスプレイ広告のメリット | ディスプレイ広告のデメリット |
潜在層にアプローチできる リターゲティングできる 低コストで運用できる | CVRが低くなりやすい 確度の低いユーザーにクリックされることが多い 広告ブロックされると表示されない |
YouTube広告
YouTube広告は「Attention(注意)」でも紹介しましたが、見込み顧客の興味関心を惹くためにも利用されることがあります。
具体的には、広告内で物品の使い方や魅力を詳細に説明することで、認知だけではなく興味関心を惹くこともできるのです。
そのためには広告をすべて視聴してもらう必要があるため、よりクオリティの高い広告動画の作成が求められます。
Searchに分類されるユーザーと相性の良い手法・チャネル
「Search(検索)」では、見込み顧客が情報を収集するためにGoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用して検索するときに備えたSEO対策をすることを指します。
ユーザーが「この商品良いな」と感じたとき、すぐに購入を決定するのではなく、検索エンジンやSNSを使って”商品の口コミ評判”や”競合商品のチェック”、”本当に良い商品なのか”などを調べる傾向にあります。
そのため、事前にSEO対策を行い、自社商品・サービスの関連キーワードで検索上位表示されるための施策を打ち出す必要があるのです。
関連キーワードで上位表示を取ることができれば、検索したユーザーにとって信頼できる情報になりますし、オウンドメディアを見てもらうことでさらに商品・サービスを知ってもらうきっかけにもなります。
つまり、Searchでは、競合商品に流れてしまう可能性のある見込み顧客をSEO対策によって刈り取るために存在するのです。
それでは、Searchの具体的なチャネルについて、以下で詳しく解説します。
リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで調べられたキーワードに連動した広告が表示されることを指します。
リスティング広告のメリットは、購買意欲の高い顕在層にアプローチできることや、低コストで始められることなどがメリットです。
一方で、認知拡大には不向きということやキーワードによってクリック単価が変わることがデメリットに挙げられます。
リスティング広告のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
リスティング広告のメリット | リスティング広告のデメリット |
顕在層にアプローチできる 低コストから始められる 短期的な施策にも向いている 効果測定しやすい | 認知拡大には不向き 人気キーワードはクリック単価が高い |
SEO
SEO(Search Engine Optimization)とは、日本語で「検索エンジン最適化」といい、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて上位表示をするための施策です。
日本においてのSEO対策はGoogleアルゴリズムに遵守することが一般的で、コンテンツSEO・内部SEO・外部SEOの3つに大きく分けることができます。
SEOのメリットは、キーワードによっては上位表示されることで中長期的な集客が見込めることや費用対効果が高いことなどが挙げられます。
一方で、専門的な知識を要することや中長期的な運用が必要なこと、必ず成功するとは限らないことなどがデメリットです。
また、SEOはWebマーケティングには欠かせない施策のひとつですが、専門的な知識が必要になるため、社内リソース不足や人材育成が課題になっているケースも多く、外注でのSEO対策も検討することが一般的です。
SEOのメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので参考にして見てください。
SEOのメリット | SEOのデメリット |
費用対効果が高い 中長期的な集客が見込める ブランディングできる 信頼度が増す | 専門的な知識が必要 短期的な施策には向いていない 成功するとは限らない |
代表的なマーケティング手法を抑え、ユーザーの獲得に繋げましょう
記事では、原理原則に基づいたマーケティングのフレームーワークや具体的なチャネルについて詳しく解説しました。
マーケティングの手法はさまざまですが、それぞれに違ったメリット・デメリットがあるため、それぞれの特徴を理解したうえで正しく使い分けることが大切です。
そのために、マーケティングのフレームワークを理解して、どの段階の施策を打ち出しているのかを明確にするようにしましょう。
ぜひ本記事を参考にしてユーザーの獲得および利益の拡大に繋げましょう。
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