インフルエンサーの投稿を活用し、たくさんの人から商品を紹介される構造をつくりあげたIntagramマーケティングの秘訣とは?

株式会社エンクル

Instagram:https://www.instagram.com/mameil_macaron/

HP:https://mameil.com/

【導入目的:認知拡大・集客アップ】

今回インタビューでお伺いしたのは、北海道・札幌を拠点としてスイーツ製造と販売を行う株式会社エンクルの笹川氏、新規事業プロジェクト開発をはじめD2Cブランドマーケティング支援を行う株式会社chipperの十時氏・飯塚氏です。生チョコマカロンという新しいスイーツブランド『MAMEIL』の立ち上げにあたり、見事様々な人から商品を紹介される構造をつくりあげたインフルエンサーマーケティングの手法について詳しくお話を伺ってきました。

目次

1 ビジュアルにこだわった商品とブランドロイヤルティの高め方

2 販売開始から3か月目で売上が300万円に!売上があがった投稿も日々チェック

3 インフルエンサーの継続的な投稿で面を広げ、トレンドをつくる

ビジュアルにこだわった商品とブランド認知の高め方

ーー現在のブランド事業を始めたきっかけを教えてください

笹川さん:新しい業態・事業を常に模索しているのですが、生チョコとマカロンを組み合わせたものをやりたいという話になりました。構想に入った段階で、一般的に業務用に売っているチョコレートを使ってかなり施策を繰り返したのですが我々としてなかなか納得するものができず。そこで、チョコレートを作る段階からやってみようとなり、2021年カカオ豆を仕入れてチョコレートを作るお店をまず立ち上げるところから始めました。できあがった商品をどのように売っていくかと考えた時に弊社は実店舗の運営がメインでweb上での販促が強くないこともあり、株式会社chipperさんをご紹介いただきました。製造や商品名以外の販促・マーケティングの売り方に関しては去年の7月くらいからご協力いただいています。

ーー例の生チョコマカロン、ビジュアルがとても魅力的です。下に敷いてあるものはチョコレートでしょうか?

笹川さん:カサカサしたものですね。これはカカオの実のまわりについている薄皮で一般的には捨てるものなんです。ですが、デザイナーさんといろいろ話している時にカカオ豆から作っているというストーリーを印象付けることを含め、カカオの香りを楽しんでいただくという意味合いで入れた方がいいんじゃないか、ということでこのような仕様になりました。

ーーとてもおしゃれですね。商品を買っていただく方は主にどれくらいの年齢層の方が多いですか?

十時さん:年齢でいうと、1番多いのは20代・30代の方がメインになっています。パッケージ戦略を考えるときにマーケティング視点でデザイナーとすり合わせをしました。スイーツはバズの要素が強いというか、美容系やお悩みを解決する商材と違って基本的ににポジティブじゃないですか。だから商品を紹介する側もストレスなく紹介できる点と、実際にハスク(カカオの実のまわりの薄皮)の上で撮影するシチュエーションも含めて、よりビジュアル的に拡散してもらいやすい構造をつくりにいきたかったのでそのような設計にしました。だから、ターゲットでいうとInstagramを利用するメイン層を狙いにいっています。

ーーもともとInstagramで集客をはじめたきっかけは何ですか?

十時さん:店舗ではなくwebで商品を世に広めていく中で、広告効果が上がりきらない時代になっていることが大前提としてありました。先ほど申し上げたようにスイーツは発信者側がポジティブのため、広告費用が高まっていく中で唯一商材特性として顧客獲得単価を下げられると感じていました。商品企画の段階でInstagramはどういうふうに活用していくかということも含めて構想に入っていたので、商品の製造が終わったタイミングでサイト併設とほぼ並行してアカウントを開設しましたね。

ーーInstagramの他にどのような施策をしているのでしょうか?

十時さん:自分たちの発信というよりかは周りからどういうふうに紹介されるのかを高めにいく観点で、わかりやすいところでいうとアフィリエイト広告ですね。流入してきたあとはナーチャリングという観点でLINE。これに関しては獲得単価が安くとれたんですよ。友達追加してくれた方にはイベントの際など定期的にメッセージを送ったり、アンケートを答えてもらったりしてメルマガみたいな活用法をしています。今だと友達登録してくれた方が9082人がいますね。

ーー9082人、だいぶ多いですね!

十時さん:多いと思います。後は、意図的にPRを狙いに行くという観点で笹川さんにはPRの方を最初の段階でつけさせていただいて日経新聞関連などに出てもらいました。世はちょうどコロナ真っただ中。北海道は観光資源で成り立っているような街じゃないですか。店舗ビジネスが全体間で札幌に集中する流れの中で、あえてwebでチャレンジし全国的にアプローチをかけていくことをフックにしました。

先ほど申し上げた日経新聞などのtoB系のアプロ―チやtoC系は人からどんなふうに紹介されるかという動きを通していく中で、テレビも早期の段階で話がきたりしましたね。WEBではブランドのロイヤルティを高めにいくという点でギフト・スイーツ系に強い卸しを広げにいったりとか。なるべく対外的に周りからどんどん紹介されている構造をつくりにいっていました。

販売開始から3か月目で売上が300万円に!売上があがった投稿も日々チェック

ーートリドリマーケティングの導入に至った経緯を教えてください。

十時さん:もともと社内で個別依頼をかけていたインフルエンサーさんのリストを含めて、まずは「誰から紹介されるのか」というバズの要素・盛り上がり感を演出したかったことが大前提してあります。かつ、#(ハッシュタグ)ベースで考えたときに「#生チョコマカロン」という単語がホワイトスペースだったんですよね。生チョコマカロン専門店がなかったんです。ここの#をおさえにいくというところと、同時にいろいろな人がスイーツの紹介する中で生チョコマカロンを紹介する構造がつくれたら、最終的に指名検索で「生チョコマカロン」というワードが大きくなったときに完全1人勝ちできる状況をつくれると思いました。毎月数百人の紹介者が増えている構造をつくりたかったので会社のもっているリストだけでは足りず、トリドリさんに登録しているインフルエンサーさんを含めながら最大化させようと思いました。しかし、リスト同士で重複があり1本化したほうがいいんじゃないか、ということでトリドリさんに集約したという背景があります。

ーートリドリマーケティング導入前の悩み・課題を教えてください。

十時さん:社内で個別依頼をしたいインフルエンサーさんとコミュニケーションをとるとき、入口はDMじゃないですか。やりながら気づいたのですが、Instagramの特性上初期の段階でDMの送信制限がかかる問題が発生したんです。明らかにリストを増やしていくうえでスピート感が完全に合わなくなってしまって…。MAMEILの場合、Instagramアカウントを公式用とDM配信用で分けていたのですが1日1通が限界だったんですよ。そのためトリドリさんのビジネスモデル上、あらかじめ母数があるものを活用しようということになりました。

あとは、他に同じようなサービス提供されている企業さんも多いと思うのですが、フォロワー単価で提供されているケース、固定費だけでも圧倒的に金額が高く10万、15万のケースがありますよね。そのぐらいになってきちゃうとコスト的にも厳しいと判断したので、トリドリさんを選択しました。

ーー3回キャンペーンを打っていただいた感想・感じた効果を教えてください。

十時さん:波及効果が1番大きいですね。もともと作戦通りであったいろいろな人が紹介している構造をつくった結果、それこそテレビ取材もInstagram経由で来たんですよ。それがトリドリさんに登録しているインフルエンサーさんの投稿かどうかは厳密のところ分からなかったのですが、こういう場合ピンポイントではなくいろいろなスイーツメディアがとりあげていたり、強いインフルエンサーさんが紹介がされていたり、というところでピックアップして取材に繋がるケースが多いので、少なからず影響は与えているはずです。

MAMEILは、他のクライアントさんと比べメディアさんからの紹介したいという依頼が圧倒的に多いんですよね。それは影響としてとても感じています。

ーーインフルエンサーを選ぶ基準はありますか?

飯塚さん:応募してくださった皆様のアカウントは全て目をを通しているのですがブランドの世界観に合う方を選ぶようにしています。例えば、ペットの投稿やコスメの投稿をずっとしている方はどんなにフォロワー数が大きくても、いきなりスイーツが投稿に入ってくるとフォロワーさんに違和感をもたれてしまいますよね。弊社のマカロンは比較的ハイランクな商品だと思うので、並んだ時に違和感がでないようなアカウントである方を採用しています。

もう1つチェックしているものは投稿に対するコメント数や内容で、フォロワーさんとどういうやり取りしているか、という点を重視しております。

十時さん:コメントが多くても、インフルエンサーさんの容姿に対するコメントではなく、商品に焦点を当てた内容のコメントを記載されている部分に注目し選定しています。

ーー投稿内容やコメントに注目して採用しているのですね。フォロワー数などは確認していましたか?

十時さん:最初の軸としては1万以上としていました。登録前、トリドリさんのかかえるインフルエンサーさん、所謂マイクロインフルエンサーさんのフォロワーは2~3万人くらいのがボリュームゾーンだと思っていたのですが実際には10万くらいの方もいて、それは想定外で良かった点ですね。10万人くらいのレベルの方は自分たちで直接DMしても報酬がフォロワー単価で計算されてしまいますしやりにくいなと思っていましたから。そこを月額の固定費内でおさまってくれるのは良かったポイントですね。

十時さん:あと、過去のスポット的に売上が上がる瞬間があるじゃないですか。その上がったポイントのタイミングで誰が投稿したかをたどって、その人に対してもう一回投稿をお願いすることはしています。スイーツというカテゴリーの特性上、母の日・父の日など何かしらのイベントで売上が上がるので、そのポイントでいかに最大化できるかが重要だと思っています。売上の変化を時間ごとにみていき、例えば20時にいきなり売上が上がっていたら、その時間に投稿した方をたどっていっています。

飯塚さん:はい、毎日デイリーでチェックするようにしています。

ーーすばらしいですね!サービスを使用してから売上・HPのアクセス数は変化はありましたか?

十時さん:顧客の獲得単価をベースでみていったときに2000円台前半でかりとりができている、というような状態でした。売上としては、テレビなどの副次的効果なども含めて販売を開始して3か月目で売上が300万円を超えました。

飯塚さん:Instagramのリーチでいうと前月比で+174%、フォロワーに関しても直近の90日間増加率にはなりますが+175%日々フォロワーが増えていっているというような状況ですね。

十時さん:Instagramからの公式サイト流入数でいうと、月によって変動もあるのでざっくりとした比率にはなりますが全体の21%となります。計測できていない部分がやや多く38%あるのですが、実質1番流入が多いのがInstgramです。その次がGoogle、という感じですね。

インフルエンサーの継続的な投稿で面を広げ、トレンドをつくる

ーー採用してくださったインフルエンサーさんの感想を教えてください。

飯塚さん:今ちょうど3回目のキャンペーンを走らせているところなのですが、2回目採用した、以前もPRしてくださった方がいらっしゃって個人的にも別で購入しましたと言ってくれました。後は投稿したあとに「フォロワーさんから早速注文したと連絡がきました!」といったようなメッセージをいただいています。他にも「個人的にもプレゼントに使いたいです」といったようなコメントをいただいて、インフルエンサーさんの中でもコアなファンになってくれた方がいらっしゃいました。

ーーそれは嬉しいですね、印象に残った投稿などはありますか?

飯塚さん:そうですね、パッケージから特徴があるのでハスクの上に商品をのせて撮影してくださる方が1番多いのですが、中でもお子様が食べている様子だったりとか、人が映っている写真は特に良かったです。やはり自社HPでも人が映る写真は使っていないのでそのあたりは印象に残っていますね。こちらのハーフの兄妹のお写真は、地元北海道のテレビで取り上げてもらったときに事例として使っていただきました。

飯塚さん:あとは、個人的にアウトドア系のインフルエンサーさんで、外で召し上がっている写真を投稿してくださって方がいますね。基本的に屋内で撮影してくださる方が多いので珍しく新鮮でした。

ーーありがとうございます。トリドリマーケティングを継続して使用してくださっている理由は何でしょうか?

十時さん:1つは面を広げていくためです。インフルエンサーさんの投稿が一時的にたくさん上がったとしてもその後上がらなくなってしまえばPR感が強くなってしまうんですよね。継続的に投稿が溜まっていく状態、かつ母数が多い状態をつくっていけたらシンプルかつ自然です。2つめは、なんだかんだいって投稿を見た方が購入してインフルエンサーではない方も投稿をするという動きが出てきているんですよ。そういった自然な投稿があがるまでは続けた方がいいと思います。ユーザーが商品に関心を持って購入するまでの流れを考えた時に、1回Instgarmにアップすることがオシャレというか、そこまで自然に出来上がってくるまでが設計だと思っています。ほかにも、お客さんに買ってもらった段階の企画として投稿キャンペーンみたいなものをつくれたらいいですよね。『投稿してもらった中で特別良かった方にもう1箱プレゼント!』みたいな感じで。徐々にトレンドをつくっていければいいなと思います。

ーー最後にインフルエンサーマーケティングを始める方に向けてメッセージをお願いいたします。

十時さん:WEB広告の世界は、昔のメディアである新聞など数字で測れないものから測れるものがでてきたという歴史的文脈があり一気に伸びてきました。ただ、顧客の獲得単価だったり数字で測れる効果主義みたいになっているところがあると思うんです。それは顕在層にアプローチしにいくことによって効果がよくなってくるわけで、数字だけおってしまうとプロダクトの可能性を狭めてしまう。けれど、世では数字を追うことがマーケットを考える上での意識として思うので、それを問題提起したいというのが1つ。

弊社ではP&Gの方がもともと立ち上げた戦略であるパーセプションフローモデルを採用しています。そこでは市場に対しどのような知覚刺激を与えることでユーザーが認知・興味、購入、再購入にいたるのかという一連の流れがあります。カスタマージャーニーと異なる点として、ここでは明確に市場の現状から認知というように段階がシフトする上でどういう知覚刺激を与えるべきなのかをおさえにいく必要があるんですよね。

弊社ではそこで、メディアを分けながら知覚刺激のタッチポイントを明確にしていきます。WEB広告の多くのケース、特にECの場合は“興味”から“購入”を考えるとき数値を回すだけに注目してしまいがちですが、本来は狙いにいくための市場をつくりにいくところから考えなければいけない。

toB系の日経新聞さんをとりにいったこともそうですが、1度ビジネス部分でも取材をされる経験を積むことで地元誌を引っ張ってくる構造をつくることが可能になる。「どの知覚刺激に対し、どのメディアが作用するのか」それを落とし込んで考えていきます。数値指標だけ追うのではなく、お客さんの行動や心理を考えるうえでタッチポイントの手段として今の時代SNSは切り離せないためどのように有効活用するのかが重要です。インフルエンサーさんを活用したいとなったときに、数百万円かけてトップの方にお願いしたところ効果が上がらない話ってよくありますよね、それはあまり本質をみていないと感じていて。どの部分で作用するかを考えたとき、面を広げることで拡散されやすい構造をつくりにいく。そのような活用方法がいいのではないのでしょうか。 




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